「アイリスペットドットコム」の犬のしつけ用語ファイルを参照すると
【リーダーウォーク】
リーダーウォークとは、犬が飼い主の歩調にあわせてついて歩くことです。犬がリードを引っ張ったり、勝手に行きたいところに行ったりするのでは、一緒に歩く飼い主や周囲の人たちや犬に迷惑をかけかねません。悲しいことですが、犬が飼い主を引っ張って線路に入ってしまい、飼い主が電車に轢かれるという事故が何度か起こっています。犬、飼い主、そして周囲の人の安全を守るためにも、リーダーウォークは大切なしつけです。
【アタッチメント】
アタッチメントとは犬の耳、鼻、尾、足の先、腹などの体の端を触ることです。犬は体の端のような知覚神経の敏感な部分を触られることを嫌がります。しかし、飼い主が触ることで、犬に信頼感を与え、服従心を育てることができます。また、アタッチメントによって、他人が触っても嫌がらないようにしておくことは、爪切りなどの手入れや動物病院での診察や治療も容易にします。
【ホールドスチール】
ホールドスチールとは、座っている犬を背後から抱え込むことです。犬同士で自分が優位であることを示す方法にマウンティングがありますが、これと同じ意味があります。飼い主が犬を後から覆いかぶさるように抱くことで、犬はリーダーが誰であるか理解するとともに、安心して体を預けることが出来るようになります。信頼関係を築くにも大切なものです。
と解説されている。また、別のサイトでは、
犬は群れで行動する動物です。群れの中には劣位のものから信頼される強いリーダー(α=アルファー;第1位という意味)がいて群れを統率するのです。 換言すれば犬は頼りになるリーダーをも求めているのです。家庭で犬を飼う場合には、家族を構成する人間がみんな犬のリーダーにならなければいけません。 犬にしつけをする時、犬から見て信頼できるリーダーとして認められていないと犬はなにも従ってくれません。
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1:リーダーウォーク
散歩の時に飼い主は犬を自分の横、あるいはやや後ろに従えて歩くことです。群れで行動する犬の本能で、群れを移動する時はリーダー(ボス)が先頭に立ち、群れを意識的に誘導します。
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2:ホールドスチール(拘束静止法)
犬の服従性本能を育てるのに最も適した方法です。・・・・・
3:アタッチメント(体端部接触馴致脱感作法)
犬の体端部(耳、鼻、尾、四肢端、腹など)は知覚神経の敏感な場所で触られるのを嫌がります。しかし、体端部を触ることによって犬は飼い主に対する信頼感を増やすため、 飼い主に安心して従う服従心を育てることができます。・・・・・
(http://www.edf.jp/situke05.html)
このように、リーダーウォーク、ホールドスチール、アタッチメントのしつけ用語は、ドミナンス理論をよりどころに解説されるのが常である。だが、2008年にアメリカ獣医行動学会が、「動物の行動修正にドミナンス理論を用いることに関する意見表明」を行ったことで、状況は変わった筈。少なくとも、私は、そのように思っている。
ところで、アメリカ獣医行動学会の意見表明の骨子は、
・犬はリーダーに従って行動している訳ではない。
・犬を服従させる、あるいは支配するというアプローチは誤りである。
・非科学的な支配性理論をよりどころにすると飼い主とペットの間に対立関係を生む。
というもの。同声明は、キッパリとαシンドロームなどを歴史の屑箱へと葬り去ったのである。
私が、参考にしている躾本には、リーダーウォーク、ホールドスチール、アタッチメントなどの用語は登場しない。代わりに幼犬の3大トレーニングとして
1、スキンシップ・トレーニング。
2、リラックス・トレーニング。
3、アイコンタクト・トレーニング。
などが登場する。監修者は日本盲導犬協会神奈川訓練センターなどで講師もされてきた水越美奈女史。
「リーダーウォーク、ホールドスチール、アタッチメントの意味と目的は従来のそれと大きく違ってきている!」と言えばそれまでだが・・・。しかし、これらの古いしつけ用語を耳にすると、どうにも素直に「ウン!ウん!」とうなづけない私がいる。
>なんで、スキンシップではなくアタッチメントなんだ!ヽ(`Д´)ノ
>俺の膝で臍天寝すれば、それで十分じゃろが!ヽ(`Д´)ノ
と・・・。そして、「しつけ用語を見直す時期が来ているのでは!?」との思いが頭をもたげる。実際に行っていることは支配性理論とは無縁なのに、同理論と不離一体感の強い用語に頼る必要はないのでは?そんな思いが頭をもたげる。
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