デイジー号の子供達の54日間を振り返る上で欠かせないのが体重の推移に関する認識である。次のグラフでは、出生時400gのパピーの体重推移モデルを朱色の線で示している。過去に示したそれとの違いの一つは、体重増加ピッチを10%だけ増やしていることだ。二つ目は、出生時体重が50gづつ異なるパピーの体重推移も付加したこと。
既に述べたように、朱色の体重推移モデルは出生時体重400gのパピーの標準的な体重推移を示している。それでは、出生時の体重が300gとか250gとかのパピーの体重のどのように推移するのか?その答は、複数のママ犬が残した記録が教えてくれる。それによれば、400g以外のパピーの生後50日目の体重は、出生時の差の2.5倍を差し引いた近辺に落ち着く。
出生時 400g⇒50日目 4,450g
出生時 350g⇒50日目 4,325g(4,450-125=4,325)
出生時 300g⇒50日目 4,200g(4,450-250=4,200)
出生時 250g⇒50日目 4,075g(4,450-375=4,075)
注目すべきは、この体重差(出生時体重×2.5)は2週齢までに出現・固定するということだ。その後は、その差を維持したまま7週齢を迎える。もちろん、このことは出生時の体重差が縮まらないということではない。
出生時 400g(1.000)⇒50日目 4,450g(1.000)…出生時×11.1倍
出生時 350g(0.875)⇒50日目 4,325g(0.972)…出生時×12.6倍
出生時 300g(0.750)⇒50日目 4,200g(0.944)…出生時×14.0倍
出生時 250g(0.625)⇒50日目 4,075g(0.916)…出生時×16.3倍
付け加えておけば、「7週齢目には出生時体重のおよそ10倍になる」というのは出生時体重が450g前後のパピーに限ってのこと。それを一律に当てはめることはできない。そんなことをすれば、出生時250gのパピーは2,500gにしかならないことになる。
このような盲導犬パピーの体重推移に関する検討が「(動画)巣立ちへの54日間」に大きく反映されることはない。しかし、私らにとっては、デイジー号のパピー達の生育状況が最大の関心事であった。すなわち、彼らの体重推移に一喜一憂したということだ。そういう意味では、盲導犬パピー達の体重がどのように変化していくかの確かな情報を動画にチラリとでも・・・。という思いが強い。それが、No.3を書いた動機である。
色んな理由で、「『(動画)巣立ちへの54日間』作成日誌 No.3」は体重に関する再度の考察となった。色んな理由の核心にあるのは、行き当たりばったりという私の性格。だから、No.4も、行き当たりばったりの内容になる筈である。
最後に、実際の体重推移グラフを掲載しておく。標準は破線で示している。標準曲線と実際との差異は、その間の事情を雄弁に物語っている。
(続く)