昔は、通りの向こうに野良がいるとビビって引き返すという大の犬嫌いだった。「犬とは、咬みつく危険な動物である」-これが、私の不動の認識だった。そんな私が20年前に一戸建てに住むことになった。
>犬でも飼おうか?
>そうしよう、そうしよう。
私は、野良は怖くて嫌いだったが、仔犬を迎えるのには抵抗感がなかったようだ。そうして、街にラブラドール・レトリーバーの仔犬を探しに出かけた。
>シベリアン・ハスキーの仔犬がいます。
そこで目にした手書きの看板。車を降りて犬舎を覗いているとご主人が可愛い可愛いハスキーの仔犬を抱いて出てきた。私と妻、息子と娘の4人は、すばやく目と目で合図した。
>この子にしようか?
>そうしよう、そうしよう。
こうして野良犬が怖くて嫌いだった私は、犬バカ一直線の人生へと大きく舵をきっていった。東にハスキー犬が捨てられていると聞けば、山中に分け行って保護。西に棒で叩く飼い主に歯向かったハスキー犬が檻に幽閉されていると聞けばレスキューに出動。気が付けば、保護・世話した捨て犬は6頭に。しかし、その結果として待っていたのは、我が家の財政破綻だった。
1、子宮蓄膿症・・・初代ハスキー。
2、乳腺腫瘍・・・・・初代ハスキー。
3、糖尿病・・・・・・・初代ハスキー。
4、乳腺腫瘍・・・・・ゴールデン・レトリーバー。
5、子宮蓄膿症・・・柴犬。
6、脳腫瘍・・・・・・・柴犬。
7、白血病・・・・・・・シー・ズー。
8、甲状腺腫瘍・・・二代目ハスキー。
9、腫瘍(耳)・・・・・三代目ハスキー。
A、異常過敏症・・・M・シュナウザー。
>犬や猫だって糖尿病にもなればアレルギー持ちもいる。
>乳腺腫瘍・脳腫瘍・甲状腺腫瘍と出来る腫瘍も色々。
>そして、晩年は寝たきりになる。
今思えば当たり前のことだが、当時は、そんなことは想像だにしなかった。
>一日5千円の薬代!
数万円の診療費以外に月々15万円の薬代という時期もあった。まったく想定外の事態だった。完全に無知だった。
>犬猫の保護は金と時間とを分け与える行為である。
>生半可な気持ちで行うことは無責任に通じる。
>加えて、保護しても保護しても鼬ごっこである。
>見らず!近寄らず!抱き上げず!
>これからは、かかる非情三原則を遵守する。
の筈だった。
>アハハ!連れてきちゃった!
2015年8月22日。私は、推定7ヶ月齢の黒い仔猫を保護して家に連れ帰った。
>風呂に入れて動物病院へ連れていかんね!
言われるままにお風呂でシャンプーして動物病院へ。帰ったら、最寄りのニトリへ。2段ケ-ジとトイレ、爪研ぎ、爪切り等を購入。23日には、キャリーバッグとキャットフードをネットで注文した。
>お父さんが黒い仔猫を拾ってきたのよ。
>フムフム。判った。
>また、教えてね。
妻は、(ここ2、3日)様々な情報を得るために捨て猫数匹と暮らしている娘と頻繁に話している。
>(娘)猫も可愛かろ!
>(妻)いいや!だって、「シャーッ!」て威嚇するんだもん。
我が家の非情三原則が破られた!そうして、只今、我が家は「シャーッ!」と格闘中である。
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